大人になんて、ならないで。
「なんでまた今日は飲み過ぎたんだ?」
「……不安だったんだって」
「は?」
「もうすぐ一年でしょ?
でも、真矢受験生じゃん?
記念日とかやったら迷惑じゃないかなって、
不安もらしながら結構な量飲んじゃって」
……なんだ、そんなこと。
「じゃあ今日は俺に任せといてよ」
「は?」
「めぐの不安を取り除けるの、俺だけでしょ?」
よいしょ、とめぐちゃんの体を担ぎ直す。
「真矢…
愛が寝てる時にカッコつけてんなよ」
ゲシッと足を蹴られて、体勢が崩れる。
めぐちゃんだけは落とさないようになんとか踏ん張った。
「危ねーんだけど!」
「うっさいな。
本人が気付いてないとこで“めぐ”って呼んでるのダサい。
愛の前でちゃんと呼びなさいよ」
「……照れるじゃん」
「それがダサいって言ってんの」