大人になんて、ならないで。
落ち着こう。
窓から日の光が差し込んでる。朝か。朝なんだな?
ベッドの横に置かれていたスマホを見ても、土曜日の朝8時と表示されていた。
……朝なのはわかった。わかったんだけど。
わからないことが多すぎる…。
ボサボサの頭を掻きながら、寝ると言ったくせに私に視線を送ってくる彼を見つめた。
「ま、真矢くん。
これは一体、どういう状況なんでしょうか…」
床に正座して、チラッと彼…真矢くんを見ると、
真矢くんは顔の半分を枕に埋めながら、クス、と笑った。
そしてその後、カッと目を開いた。
「……昨日の夜を思い出すだけで…俺は胸がいたい…」
「……はい?」
「しかも、めぐちゃんが覚えてないなんて…。
俺の純潔…汚したくせに」
………は…
………え?