大人になんて、ならないで。
「それで、
勝手にどっか行ったことを真矢が怒ったわけね」
「心配してくれてたんだと思うけど…
私は一人でいいって言ったんだよ?」
「……はぁ。
それじゃん、真矢が拗ねてる原因」
……拗ねてる?
怒ってるんじゃ、ないの…?
「真矢はね、
愛のことが大事なんだよ」
「え…」
「愛の気持ちもわかるよ。
でも、真矢の気持ちも考えてあげて」
「……そんなこと、言われても…」
「真矢はまだ、子どもだから。
少しくらいのわがままは、聞いてやって?」
めんどくさい弟でごめんね、と言って、真優がハンバーグの最後の一口を頬張った。
真矢くんの気持ち…
そんなの、わかんないよ。