大人になんて、ならないで。
辺りはもう真っ暗で、外灯もない道じゃさすがに少し怖い。
真矢くんはずっと黙ったまま、私の前を歩いてる。
手は……やっぱり繋がない。
真矢くんの手は、片方はポケットに、
片方は、スマホを触ってる。後ろからじゃ見えないけど、明かりが漏れてるからわかる。
……友達と連絡とってるのかな。
さっきの…女の子たちかな。
こっち…見てくれないな…。
真矢くんの背中を見つめながら歩いていると、
ふいに、真矢くんが後ろを振り向いた。
「……!」
「……ついた」
「あ…」
横を向いたら、私の住むアパートが。
あ…もう着いたんだ…。