大人になんて、ならないで。
「……部屋まで送る」
「…あ…ありがとう…」
外の階段を登って、二階の私の部屋の前までついてきてくれる。
……そこまでしなくてもいいのに…。
「あの、上着、ありがとう」
玄関先で真矢くんの上着を脱ぐ。
「ごめんね、わざわざ送ってもらって…
荷物も増やしちゃって」
「……」
「えと…じゃあ、
帰り、気をつけてね…」
脱いだ上着を真矢くんに差し出したら、
真矢くんが両手で私の頰を包んで。
「………っ!?」
ぐっと真矢くんの顔が近付いてきたかと思ったら、
唇に温かくて柔らかい感触。
「…んっ、」
持っていた真矢くんの上着が、パサッと床に落ちる。
その後、真矢くんの唇が離れて…。