大人になんて、ならないで。
焦りと不安
……眠れなかった。
窓からはもう日が差していて、朝になったんだと気付く。
あれから…どうしたっけ。
スーツを脱いで、着替えて…
洗濯機をまわす気力もなくて、すぐにベッドに入った。はずなのに。
なんで、全然眠れてないんだろう。
眠くないわけじゃないのに。むしろ眠いのに…
真矢くんの、キスの感触を思い出すと、目が冴えてしまって。
もうどうせ眠れないし、朝になってしまったのなら仕事の準備しなきゃ。
ゆっくり体を起こすと、
なんか、すごい倦怠感に襲われて。
「……頭痛い気がしてきた…」
普段しっかり寝る人間だから、一睡もしてないと体調が悪くなるみたいだ。
でもただの寝不足で会社を休むわけにはいかないし、
準備しないと…。