大人になんて、ならないで。
部長の、射抜くような視線が向けられる。
「少し…」
「だから無理しないでって言ったのに」
「……すみません…」
情けないな…。
部長に迷惑かけないために、お昼の申し出は断ったはずなのに
それ以上に迷惑をかけてしまっている…。
「でも、起こすのも申し訳ないくらい、
ちゃんと眠れていたみたいで安心しました」
「……あ…」
完全に、仕事のこと考えてて…
終わったからってほっとしたから、気が抜けたのかな…。
「迷惑かけてすみません。
すぐ出ますから……っとと」
荷物を取って立ち上がると、立ちくらみがして。
よろけてしまうと、三好部長が倒れかけた私の体を支えてくれた。