恐怖症、克服しますっ!
「……私さ」
と、小さな声で千夏が話し出す。
「文化祭とか興味なかった。みんなで騒いで何が楽しいの、って思っていた。だから、参加もしなかったけど」
「……」
「それは昨年までの話」
昨年の文化祭、私は何をしていただろう。
……多分、千夏と同じような気持ちだったと思う。
私は、クラスメイトと馴染めなくて。
文化祭をきっかけに仲良くなれるかな、とも期待したけど。
やっぱり、男子が怖くて。
女子の集団も怖くて。
結果的には、葵と2人で文化祭をまわったっけ。