恐怖症、克服しますっ!
何も言えなかった。
私は葵を尊重しているようで、葵の『気持ち』を尊重していなかった。
少し暗くなってしまった雰囲気。
葵はそれを振り払うように、
「だって、ダンス経験者が2人もいて、私に教えてくれるんでしょ? そんなにも心強い味方は他にいないよっ」
「そうだね。やるからには、みっちり教えるよ」
「少しは優しくしてね!?」
葵と千夏のやり取りに、ホッとする私。
考えすぎていた。
ひとりで突っ走るところだった。
やっぱり、話し合うことは大切だ。