恐怖症、克服しますっ!


「趣味は……、思いつかないな」

「一条、やり直しっ」

南先生、ナイス突っ込み。


「1番最初に自己紹介する奴は、考える暇もないっすよー」

「それも確かに……」


ちょ、南先生。

一条くんに負けてどうするの。


「……まぁ、今回だけだぞ! 一条の自己紹介も良かったぞ!」

一条くんに少し視線を向けると、ぺこっとお辞儀をして座った。

少しざわつく教室。

特に女子。

一条くんが自己紹介を終えると同時に、甲高い声が耳に入る。


ここで耳をふさいでもいいけど、それは何となく失礼な気がして。


スカートの上で握りしめた拳に力を入れつつ、必死に耐えた。

< 16 / 383 >

この作品をシェア

pagetop