恐怖症、克服しますっ!
「趣味は……、思いつかないな」
「一条、やり直しっ」
南先生、ナイス突っ込み。
「1番最初に自己紹介する奴は、考える暇もないっすよー」
「それも確かに……」
ちょ、南先生。
一条くんに負けてどうするの。
「……まぁ、今回だけだぞ! 一条の自己紹介も良かったぞ!」
一条くんに少し視線を向けると、ぺこっとお辞儀をして座った。
少しざわつく教室。
特に女子。
一条くんが自己紹介を終えると同時に、甲高い声が耳に入る。
ここで耳をふさいでもいいけど、それは何となく失礼な気がして。
スカートの上で握りしめた拳に力を入れつつ、必死に耐えた。