恐怖症、克服しますっ!
この空間怖い……。
「女子うるさいぞー。はい、次の奴、自己紹介な!」
南先生が、きゃあきゃぁ騒いでいた女子を止めてくれたので助かった。
それからは、次へ次へと自己紹介が進んでいく。
私は、“葉山”だから後半。
それまで、当たり障りのないような、自己紹介を考えておかねばならない。
だから、私はクラスメイトの自己紹介を半分聞き流していた。
イマドキオーラ満載のクラスメイトとは仲良くなれると思っていない。
仲良くなろうとも思わない。
名前を覚えても意味がない。
これから1年、関わらないように、ひっそり私の日常を送るのだから……。
そうやって、クラスメイトの自己紹介を聞き流していた私だけれど、2人だけ、記憶に残る自己紹介をした人がいた。