恐怖症、克服しますっ!
夕日に背を向け歩いていると、佐伯くんが不意に足を止めた。
私は振り返って、佐伯くんと向き合う。
「どうしたの?」
「……美桜ちゃん」
「ん?」
佐伯くんが絞り出すように、小さな声で言葉を発する。
「俺……。美桜ちゃんのそばに居ないほうがいいのかな?」
「えっ……」
とりあえず、道路の真ん中で立ち話もあれだから、と言って、近くの公園に寄る。
移動している時間も、佐伯くんは黙ったままだった。
公園のブランコにお互い腰を下ろす。