恐怖症、克服しますっ!
相変わらず、葵と千夏は火花を散らしている。
いつもはあんなにも仲がいいのにな。
今の白熱している試合も面白いけれどね。
私が見入っていると、隣にしゃがむ人影。
首を向けると、白鳥さんが座っていた。
「白鳥さん……」
「なに?」
私なんて眼中にないような、そっけない返事。
勝手なイメージだけど、白鳥さんは佐伯くんの試合を応援に行っているのかと思っていた。
その疑問を察したかのように、白鳥さんは、なんてことないように言う。