恐怖症、克服しますっ!



机の横にかけている鞄から本を取り出そうとすると、私の前に人影が。

私は動きを止めて、顔をあげる。


そこに立っていたのは、七瀬さんだった。


「葉山さん、だっけ?」


え……。

なんで、七瀬さんが?

私に話しかけているの?


「葉山さん?」

再び名前を呼ばれて、私は思わず、

「はいっ!」

と、教室に響き渡るような大きな返事をしてしまった。


しまった、と思うと遅い。

教室中が会話を止め私たちに視線を向けている。


やらかした。


< 25 / 383 >

この作品をシェア

pagetop