恐怖症、克服しますっ!
「もう、その話はいいだろう」
お父さんが不機嫌そうに言う。
私はそんなお父さんを、あまり見たことがなかったのでびっくりした。
お母さんは相変わらず笑っていて。
「もう。美桜に彼氏が出来たからって、そんな寂しがらなくてもいいじゃない」
「寂しがっていないぞ」
「顔に出ているわよぉ」
お父さんとお母さんの仲の良さが伝わる。
って、そうじゃなくて。
「佐伯くんは、彼氏じゃないから!」
私は慌てて否定する。
お父さんは「本当か?」と、安心した様子。
お母さんはつまらなそうに、頬を膨らませている。
そんな顔されても……。