恐怖症、克服しますっ!
「俺、もう、どうしたらいいのかな」
私を見つめる瞳は、揺らいでいて。
苦しい。
助けて。
と、叫んでいた。
ああ。
さっき、私が佐伯くんに対してイライラした理由が分かった。
佐伯くんが、自分を犠牲にしようとしているように見えたからだ。
自分の感情を押し殺して、笑っている佐伯くんを見ているのが辛かったから。
佐伯くんが、佐伯くんらしくなくて。
それが、ものすごく悲しくて。
だから、私はイライラしてしまったんだ。