恐怖症、克服しますっ!
完成、した……。
私は完成したネックレスを、そっと持ち上げる。
うん。
丈夫に出来ているし、仕上がりも上出来だ。
私はネックレスを机の上に戻す。
丈夫に作ったのに、ガラスを扱うように丁寧に扱ってしまう。
それだけ、大切で想いを込めたネックレス。
包装は、後でゆっくりやろう……。
使った工具や、残りのパーツを片付ける。
机の上が、徐々にきれいになっていく。
残されたのは、ネックレスだけになった。
そのネックレスを机の端に置く。
私は勉強机の引き出しから、便箋と封筒を取り出す。
ボールペンを手にして、私は便箋に想いを書く。
最初は『一条くんへ』で、始めるべきだよね?
私は、一条くん宛の手紙を書き始めた。
伝えたいことは沢山あるのに、文章にしてみると、まとまらなくなる。
私は何度も書いては、書き直した。
この文章じゃ、なにが言いたいのか、なにを伝えたいのか分からない。
私は時間を忘れ、手紙を書き続けた。