恐怖症、克服しますっ!
夜。
私は、緊張してなかなか眠りにつけなかった。
寝返りを打っては、戻る。
頭も目も冴えている。
このままじゃ、明日寝不足で、文化祭が楽しめなくなってしまう。
ピロロロンっ。
携帯の着信音。
電話……?
誰だろう、と思って画面に表示された名前を見ると、私は固まった。
一条くんから……!?
初めて電話がかかってきた。
関係がギスギスする前に、連絡先は交換していた。
その直後に話せなくなってしまったから、連絡は一度も取っていなかった。
だけど、今、電話をかけてくれているのは一条くんだ。
私は、緊張で震える声を隠すのに必死だった。