恐怖症、克服しますっ!
誰と回るか、約束はしていなかった。
私が考えていると、に聞かれる。
『好きな人……、と回ったりするのかな』
「え?」
思わず私は声を上げる。
回れるものなら、一条くんと回りたいです。
心の中に現れた本音にびっくりする。
隠しておきたかったけど、伝えたほうがいいな、と思った。
せっかく、一条くんが電話をかけてくれている。
他の女の子に先約を取られる前に。
「あの、文化祭2日目。一条くんと回りたいな……」
しばらくの沈黙。
私、変なこと言っちゃったかな、と思っていると。
『うん。一緒に回ろう』
と、一条くんの優しい声が聞こえてくる。
私は嬉しさと喜びでいっぱいになる。