恐怖症、克服しますっ!



誰と回るか、約束はしていなかった。

私が考えていると、に聞かれる。



『好きな人……、と回ったりするのかな』

「え?」



思わず私は声を上げる。


回れるものなら、一条くんと回りたいです。


心の中に現れた本音にびっくりする。

隠しておきたかったけど、伝えたほうがいいな、と思った。


せっかく、一条くんが電話をかけてくれている。

他の女の子に先約を取られる前に。




「あの、文化祭2日目。一条くんと回りたいな……」


しばらくの沈黙。

私、変なこと言っちゃったかな、と思っていると。



『うん。一緒に回ろう』



と、一条くんの優しい声が聞こえてくる。

私は嬉しさと喜びでいっぱいになる。

< 315 / 383 >

この作品をシェア

pagetop