恐怖症、克服しますっ!
「2日目、午前中のシフトなんだけど……」
『うん』
ものすごく言いづらい。
「午後、ステージでダンスを踊るの、忘れてた……」
言い訳するつもりはないから、心の中で言い訳をする。
ダンスを忘れていたわけじゃない。
だけど、一条くんからの初電話と、誕生日を祝えるかもって思ったら、『ダンス』という大事なイベントが頭から抜けてしまった。
これは、さすがに一条くんも呆れて『一緒に回るのやめよう』ってなるだろうな。
なにを言われるのか、一条くんの言葉を待つ私。
『……覚えてるよ』
笑いを含んだような一条くんの言葉に私は戸惑う。
「え?」
『俺は覚えていたけどね。葉山さんがダンス、踊ること』