恐怖症、克服しますっ!



「2日目、午前中のシフトなんだけど……」

『うん』



ものすごく言いづらい。



「午後、ステージでダンスを踊るの、忘れてた……」



言い訳するつもりはないから、心の中で言い訳をする。


ダンスを忘れていたわけじゃない。

だけど、一条くんからの初電話と、誕生日を祝えるかもって思ったら、『ダンス』という大事なイベントが頭から抜けてしまった。

これは、さすがに一条くんも呆れて『一緒に回るのやめよう』ってなるだろうな。



なにを言われるのか、一条くんの言葉を待つ私。




『……覚えてるよ』




笑いを含んだような一条くんの言葉に私は戸惑う。


「え?」

『俺は覚えていたけどね。葉山さんがダンス、踊ること』



< 317 / 383 >

この作品をシェア

pagetop