恐怖症、克服しますっ!
ステージ裏に戻った私たちは、顔を見合わせたあと、抱きついた。
「成功したよっ!」
「いつも以上に思いっきり踊れた!」
「沢山の人に観てもらうのって快感!」
私たちは抱きつきながら、興奮を口にする。
今も息は切れているし、汗も流れるけど。
そんなことは気にならないほど、私たちは興奮していた。
『やりきったね』
言わなくても、2人の顔を見れば分かる。
120パーセントの力を、それぞれが出したのだから。
最高に素敵な時間だった。
この一瞬のように思える時間のために、沢山練習した。
ひとりだったら、出来なかったこと。
千夏が、『一緒にダンスをしよう』と、声をかけてくれなければ、ここに私は居ない。
葵が『一緒にやる』と、背中を押してくれなければ、この気持ちは味わえなかった。
2人が私の友達で、本当に良かった。
私の友達で居てくれてありがとう。