恐怖症、克服しますっ!
汗をタオルで拭いながら、ステージ裏を出る。
私たちは衣装を着たまま、体育館の観客席側へ行く。
先ほど踊ったばかりで、衣装を着たままの私たちに視線が集まる。
恥ずかしいような嬉しいような。
ムズムズした感情。
「お次は、みなさんお待ちかねの!」
ステージを見ると、先ほどの司会者さんが立っている。
「ミスコン・ミスターコンのグランプリ発表ーっ!」
わーっ、と盛り上がる会場。
私たちは体育館の端でステージを見ることにした。
「早速、ミスコンテスト・グランプリを発表しまーすっ!」
ミスコンの優勝者か……。
ででんっ! の合図と共に発表される名前。
聞いたことない名前だった。
3年生の先輩がステージ上へ上がる。
一言で表すと『美少女』。
モデルさんみたいな人だった。
グランプリに選ばれても、自分を飾らない姿が可愛かった。