恐怖症、克服しますっ!



私を見つけると、走って私のそばに駆け寄る。



「葉山さん……っ」



強く抱きしめられた。


どう、いうこと……。


泣き続ける私を抱きしめながら、私の背中を優しく撫でる。



「なんで……っ。ここにいるの」



涙と好きという気持ちが、抑えられなくなる。



「ミスターコンは……っ」

「終わったよ」

「好きな子に会うんでしょ……っ」



私を抱きしめる力が強くなる。



「うん。……会えたよ」



その言葉は聞きたくなかった。


もう、会ってきたんだ……。

じゃあ、なんでっ。

私を抱きしめるの……。


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