恐怖症、克服しますっ!



「千夏……。ありがとう」

「んー?」


私は、人に話しかけるのが苦手で、怖くて。

ずっとクラスメイトと距離を置いていた。

だから、私に近づくクラスメイトは今まで葵だけだった。


何の取り柄も無い私だけど、私の自己紹介を聞いてくれて、拾ってくれて。

こうやって、話かけてくれた。

目立つのは嫌いだけど、でも、嬉しかった。


高校生活は諦めていた。


だけど、少しだけ。


高校生活が楽しみになった。

だから、「ありがとう」なんだよ。


< 39 / 383 >

この作品をシェア

pagetop