恐怖症、克服しますっ!



……沈黙を破ったのは、千夏だった。


「1年生の時、私は美桜と違うクラスだったけど美桜の存在は知っていた」

「え……。だって、自己紹介のとき、」

「存在は知っていたけど、顔と名前が一致していなかった」


人間に興味ないから。

と、千夏が言う。



「葵の言うとおり、うちのクラスの男子たちも、違うクラスだった美桜のことで騒いでいた」



そんな……こと。

ある、わけ……。


ないよね? と言うように、葵を見ると、葵は目を逸らした。


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