恐怖症、克服しますっ!



「美桜は、自分も男子も、お互いが拒絶し合っているって心のどこかで思っていたんじゃない?」



千夏の言葉に、私は何も言い返せなかった。


だって。

千夏の言うとおりだったから。



私は、ずっと男子を拒絶していた。

関わりたくない、と思ったし関わる必要もないと思ったから、クラスメイトの名前すら覚えていなかった。


私がそんなんだったから、相手も私のことなんて覚えていないだろう……って。




「美桜さ、」


葵が口を開く。


聞いてはいけないことを聞くような。


そんな空気が流れる。


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