恐怖症、克服しますっ!

私の目からは、今にも涙が溢れそうだった。

そういうときだけ、動く。

教室から逃げ出そう、と振り返った瞬間――。


ドンッ。


鈍い衝撃に弾き飛ばされて、私は床にお尻を打った。

転んだ瞬間、私のダムは崩壊した。

涙がこぼれてしまった。


「大丈夫?」


低い、男の子の声が頭上から聞こえる。


男の子とぶつかって、私は転んだのか。

あ、謝らなきゃ……。


「ごっ、ごめんなさ……い」


私の声は完全に震えていた。

もうだめだ。

私は、ボロボロと涙をこぼした。


「ごめんなさいっ……ごめんなさ、いっ」


もう、何に対して謝っているのか分からない。

< 7 / 383 >

この作品をシェア

pagetop