恐怖症、克服しますっ!
私の目からは、今にも涙が溢れそうだった。
そういうときだけ、動く。
教室から逃げ出そう、と振り返った瞬間――。
ドンッ。
鈍い衝撃に弾き飛ばされて、私は床にお尻を打った。
転んだ瞬間、私のダムは崩壊した。
涙がこぼれてしまった。
「大丈夫?」
低い、男の子の声が頭上から聞こえる。
男の子とぶつかって、私は転んだのか。
あ、謝らなきゃ……。
「ごっ、ごめんなさ……い」
私の声は完全に震えていた。
もうだめだ。
私は、ボロボロと涙をこぼした。
「ごめんなさいっ……ごめんなさ、いっ」
もう、何に対して謝っているのか分からない。