恐怖症、克服しますっ!
「朝聞いたこと……。俺が葉山さんに好かれているなんて、俺の完全な勘違い」
手紙、見た。
と、言った一条くんの悲しそうな表情を見たら。
何も言えない。
「でも、」
一条くんは、傷ついたような瞳で私を見つめる。
「葉山さんが思っているより、人は葉山さんを見ている」
それは勘違いしないで。
と、言い残して一条くんは屋上を出て行った。
どういうこと。
一条くんの言葉の意味が分からない。
分からないけど。
分からないから、聞きたいんだ。
私はお弁当箱をその場に置いて、思わず走り出していた。