恐怖症、克服しますっ!
「一条くん……っ!」
私は屋上から校舎へと続く階段の上から、一条くんを呼び止めた。
既に階段を降りきっていた一条くんは、ゆっくり振り返る。
「葉山さん……」
「ごめんなさいっ」
私は思い切り、頭を下げる。
「私、一条くんのこと、傷つけた……」
階段を降りて、一条くんの目の前に立つ。
目を合わせる。
私は覚悟を決めた。
一条くんにどう思われたっていい。
好きも嫌いも、怖いも全て捨てて。
全部、話したい。
傷つけてしまった理由も、自分のことも。