恐怖症、克服しますっ!
キーン コーン カーン コーン。
「あ……」
昼休みを終える知らせのチャイムだ。
なんてタイミング……。
葵と千夏が屋上の扉を開けて階段を降りてくる。
「美桜……っ」
葵と千夏が、タイミング悪そうな顔をする。
ごめん、と言いたげな表情。
次の授業もあるので、私は一条くんに、教室に戻ろう……と告げようとすると。
「あ、美桜」
千夏は私が返事をする前に、次の言葉を発した。
「具合、大丈夫? 保健室、行かなかったの?」