恐怖症、克服しますっ!



それを察したのか、一条くんは再び頬を赤くしながら、



「嫌、とかじゃないからね」



え……?



「どっちかというと……」

一条くんは私の耳元に顔を近づけて、


「嬉しかった」

と、囁いた。



続いて顔を赤くしたのは私だ。


耳元でっ。

一条くんの息がっ。



私は熱くなる頬を、両手で押さえた。

一条くんに、顔を見られないように……って。



「それは反則」

と、一条くんは小さな声で呟いた。


何が反則なのだろう。

私の頭はぐるぐるだ。




「天然なところも可愛いけど」



その言葉までは聞き取れなかった。




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