恐怖症、克服しますっ!
恐怖症……。
もしかして克服できた!?
いやいや。
いくらなんでもこの一瞬で治るなんて早すぎる。
そんなんだったら、既に治っている。
「葉山さん……?」
え、どうしよう。
一条くんを呼び止めておいて、何を話せばいいんだ?
「葉山さんっ」
一条くんの大きな声にハッとする。
「え……、あ」
「大丈夫? ぼーっとしてたけど」
「は、話したいことがっ。解決しちゃった……みたいで」
ごめんなさい。
頭を下げる。
時間を取ってしまって、ごめんなさい。