恐怖症、克服しますっ!
「そうやって、今まで過ごしていたの」
一条くんは静かに私の話を聞いてくれた。
こんな私の話を。
一条くんは真剣に聞いてくれる。
優しい瞳で。
そんな優しい視線に私は耐えられず、思わず涙をこぼした。
「ごめんなさいっ。……私の勝手な理由で、避けてしまって、ごめんなさい……」
涙を見せたくなくて下を向いた。
もう、何の涙なのか全く分からない。
一条くんへの申し訳ない気持ち?
自分の苦しみを思い出したから?
自分のことを惨めで恥ずかしいと思ったから?
……ううん。