大人になった日に、家族を見つけました
「とっても似合ってる。初音、綺麗だよ」

詩音が微笑み、初音は「ありがとう」と笑う。振袖を選んだ際に散々褒められたというのに、未だに顔を赤くしてしまう。

「まあ、よく似合ってる。女の子の晴れ姿はやっぱり素敵ね〜」

「とても綺麗だ。詩音、初音さん、写真を撮ってあげるから並びなさい」

詩音の両親にも褒めてもらい、初音は「ありがとうございます!」と満面の笑顔を見せた。詩音の両親は、まるで初音を実の娘のように可愛がってくれる。

初音は詩音の隣に立ち、写真を撮ってもらう。一日の始まりがこんなに幸せだったことを、初音は初めて知った。

「それじゃあ、行こうか」

「うん」

詩音の車に乗り、会場まで送ってもらう。会場にはすでに豪華な振袖を着た多くの新成人の姿があった。

「初音、久しぶり〜!!」

「初音〜!!綺麗だね〜!!」

中学、高校の友達にも会い、「久しぶり!」と初音も笑う。浮かれる初音に詩音が言った。

「終わったら、迎えに来るから連絡をしてね。楽しんで」

「うん。詩音さん、ありがとう」
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