大人になった日に、家族を見つけました
初音に詩音は優しく微笑む。初音はホッとして笑った。詩音にふわりと頭を撫でられる。家族がくれないその温もりが、愛おしくてたまらない。
初音は、詩音と付き合うようになった頃、勇気を出して家族のことを話した。愛されたことがない、それを伝えた時、詩音は「なら僕がたくさん君を愛する」と言い、家族のくれない愛をくれたのだ。
手をつなぐことも、ハグも、キスも、褒められるということさえ、初音は全て詩音から教わった。そして、愛し愛される喜びを知ったのだ。
「今日はどこに行くの?」
「今日は寒いし、映画でも観に行こう。初音が前に見たいって言ってたやつがあるよね?」
「えっ、いいの?」
「うん。ほら、行こう」
初音は優しく手を取られ、ギュッと指を絡められる。恋人つなぎというものだ。何度しても初音は顔を赤くしてしまう。それを見て、詩音が「可愛いね」と囁く。
冷たい風が吹くたびに、詩音は「寒くない?」と訊ねて自分のマフラーを巻いてくれる。さすがに初音は申し訳なさを感じた。
初音は、詩音と付き合うようになった頃、勇気を出して家族のことを話した。愛されたことがない、それを伝えた時、詩音は「なら僕がたくさん君を愛する」と言い、家族のくれない愛をくれたのだ。
手をつなぐことも、ハグも、キスも、褒められるということさえ、初音は全て詩音から教わった。そして、愛し愛される喜びを知ったのだ。
「今日はどこに行くの?」
「今日は寒いし、映画でも観に行こう。初音が前に見たいって言ってたやつがあるよね?」
「えっ、いいの?」
「うん。ほら、行こう」
初音は優しく手を取られ、ギュッと指を絡められる。恋人つなぎというものだ。何度しても初音は顔を赤くしてしまう。それを見て、詩音が「可愛いね」と囁く。
冷たい風が吹くたびに、詩音は「寒くない?」と訊ねて自分のマフラーを巻いてくれる。さすがに初音は申し訳なさを感じた。