大人になった日に、家族を見つけました
「初音、どうしたの?」
トイレから戻ってきた詩音に声をかけられ、初音は慌てて手にしていたバッグを戻す。そして、笑顔を作った。
「何でもないよ」
しかし、詩音は初音の戻したバッグを手にしてレジに持って行こうとする。慌てて初音は詩音の腕を掴んだ。
「詩音さん!大丈夫だよ、このお店高いし……」
初音が一番ほしいと思ったそのバッグは、三万円のものだった。しかし、詩音は「大丈夫だよ」と言いながらカードを財布から取り出す。
「いつも、デートで初音はお金を出させてくれないでしょ?それに、そばにいてくれるお礼をしたいから」
そばにいてくれるお礼?初音は幸せで、少し泣きそうになる。誰かにそんな風に言われることが初めてで、そばにいてくれるだけでいいというのはどこかのラブソングの中だけだと思い込んでいた。
「あ、ありがとう……」
初音はバッグをプレゼントされ、涙を拭う。詩音は優しく初音の頭を撫で、「せっかくのデートなんだから」とハンカチを差し出してくれた。
トイレから戻ってきた詩音に声をかけられ、初音は慌てて手にしていたバッグを戻す。そして、笑顔を作った。
「何でもないよ」
しかし、詩音は初音の戻したバッグを手にしてレジに持って行こうとする。慌てて初音は詩音の腕を掴んだ。
「詩音さん!大丈夫だよ、このお店高いし……」
初音が一番ほしいと思ったそのバッグは、三万円のものだった。しかし、詩音は「大丈夫だよ」と言いながらカードを財布から取り出す。
「いつも、デートで初音はお金を出させてくれないでしょ?それに、そばにいてくれるお礼をしたいから」
そばにいてくれるお礼?初音は幸せで、少し泣きそうになる。誰かにそんな風に言われることが初めてで、そばにいてくれるだけでいいというのはどこかのラブソングの中だけだと思い込んでいた。
「あ、ありがとう……」
初音はバッグをプレゼントされ、涙を拭う。詩音は優しく初音の頭を撫で、「せっかくのデートなんだから」とハンカチを差し出してくれた。