もう一度あなたに恋をする
日増しに噂話は酷くなる一方だった。最近では遠巻きにヒソヒソとこっちを見ながら話をするどころか私とすれ違い様に私だけに聞こえるように嫌味を言う人までいる。
しかも給湯室でコーヒーをセットし出来上がるまで少し離れた間にコーヒーを捨てられる、デスクの上に出しっぱなしにしていたペンなど小物がごみ箱に捨てられるというようなちょっとした嫌がらせも起こるようになった。
夏樹さん達もさすがに久瀬さんに報告した方がいいと言ってくれるが、プロジェクトも抱え忙しい彼に余計な負担をかけたくなかった。
そんな毎日でも仕事は進む。幸い職場で一番近くにいるチーム久瀬のメンバーやプロジェクメンバーはそんな噂に流されることなく私に接してくれた。
そのうち浩介の耳にも私の噂が聞こえるようになったらしい。浩介が知っていると言う事は江川さんをはじめ他の人の耳にも入っているんだろう。私がこのプロジェクトのメンバーとしていることが他のメンバーの足を引っ張らないだろうか、本意ではないが自分からメンバーを辞退した方がいいのではないかと思うようになっていた。
浩介は私の変化に気づき『飲みに行くぞ!』と私をよく連れ出してくれるようになった。
「朱音、前よりも顔色悪い。ホントに大丈夫か?」
「そう?最近仕事が詰まって忙しかったからなー。」
そう答えたが浩介には私が心配かけまいと強がっている事はわかっているだろう。
すると唐突に
「なあ、久瀬さんの事まだ好き?」
「へっ?」
思わず変な声が出た。もちろん浩介に久瀬さんの事を話したことなてない。
「お前のことならわかるって。何年お前見てると思ってんだよ。」
「約十年?」
「長いよなー。・・・なあ、俺じゃダメか?」
浩介?それってまるで私に告白してるみたいじゃない?
私はわけがわからず浩介の目を見つめ続けた。
「やっぱ気づいてなかったかー。お前鈍すぎ。いくら仲のいい同級生でも好きでもないヤツ、こんな何回も誘わないし。しかも二人っきりで。」
浩介の目は真剣だった。冗談や落ち込んだ私を励ますためだけに言ってるんじゃない。
『俺さ』と浩介は話を続けた。高校の時から私の事が好きだったこと。仲のいい友達としてしか見ない私をどうにかしようと色々としかけていたと言う。確かに三日に一度は夜電話をかけてきていた。『制服のボタン取れた付けて』など何かにつけて浩介のお世話をしていた気がする。『私は浩介のオカンか!』って普通に流してたけど周りの者はだいたい浩介の気持ちに気づいていたとか。聞けば聞くほど私って鈍い奴だ。
「あの頃はさ、お前何しても気づかないし気まずくなるのだけは嫌だったから気持ちを伝えるのはやめた。」
今私が久瀬さんに対して思ってる気持ちと一緒だ・・・。
「久瀬さんとの仲をやっかんだ嫌がらせだろ?だったら別に彼氏が「ごめん浩介。」」
「お前ちょっとは悩めよ。」
ごめんね、浩介。私の事を思ってくれてる気持ちは凄く伝わった。でもここで即答しないと浩介の優しさに甘えてしまいたくなる。でもこのまま浩介と付き合いだしても、たぶん続かないと思う。後で後悔する事になると思う。
「しゃあないか。お前は昔から妥協とか嫌いだもんな。まっ、これからも仕事で会うんだし今まで通りよろしくな。また飲みにも誘うし気を使って断んなよ。それと、お前がプロジェクト辞める必要ないからな。」
ホントにいい男だよ浩介。
しかも給湯室でコーヒーをセットし出来上がるまで少し離れた間にコーヒーを捨てられる、デスクの上に出しっぱなしにしていたペンなど小物がごみ箱に捨てられるというようなちょっとした嫌がらせも起こるようになった。
夏樹さん達もさすがに久瀬さんに報告した方がいいと言ってくれるが、プロジェクトも抱え忙しい彼に余計な負担をかけたくなかった。
そんな毎日でも仕事は進む。幸い職場で一番近くにいるチーム久瀬のメンバーやプロジェクメンバーはそんな噂に流されることなく私に接してくれた。
そのうち浩介の耳にも私の噂が聞こえるようになったらしい。浩介が知っていると言う事は江川さんをはじめ他の人の耳にも入っているんだろう。私がこのプロジェクトのメンバーとしていることが他のメンバーの足を引っ張らないだろうか、本意ではないが自分からメンバーを辞退した方がいいのではないかと思うようになっていた。
浩介は私の変化に気づき『飲みに行くぞ!』と私をよく連れ出してくれるようになった。
「朱音、前よりも顔色悪い。ホントに大丈夫か?」
「そう?最近仕事が詰まって忙しかったからなー。」
そう答えたが浩介には私が心配かけまいと強がっている事はわかっているだろう。
すると唐突に
「なあ、久瀬さんの事まだ好き?」
「へっ?」
思わず変な声が出た。もちろん浩介に久瀬さんの事を話したことなてない。
「お前のことならわかるって。何年お前見てると思ってんだよ。」
「約十年?」
「長いよなー。・・・なあ、俺じゃダメか?」
浩介?それってまるで私に告白してるみたいじゃない?
私はわけがわからず浩介の目を見つめ続けた。
「やっぱ気づいてなかったかー。お前鈍すぎ。いくら仲のいい同級生でも好きでもないヤツ、こんな何回も誘わないし。しかも二人っきりで。」
浩介の目は真剣だった。冗談や落ち込んだ私を励ますためだけに言ってるんじゃない。
『俺さ』と浩介は話を続けた。高校の時から私の事が好きだったこと。仲のいい友達としてしか見ない私をどうにかしようと色々としかけていたと言う。確かに三日に一度は夜電話をかけてきていた。『制服のボタン取れた付けて』など何かにつけて浩介のお世話をしていた気がする。『私は浩介のオカンか!』って普通に流してたけど周りの者はだいたい浩介の気持ちに気づいていたとか。聞けば聞くほど私って鈍い奴だ。
「あの頃はさ、お前何しても気づかないし気まずくなるのだけは嫌だったから気持ちを伝えるのはやめた。」
今私が久瀬さんに対して思ってる気持ちと一緒だ・・・。
「久瀬さんとの仲をやっかんだ嫌がらせだろ?だったら別に彼氏が「ごめん浩介。」」
「お前ちょっとは悩めよ。」
ごめんね、浩介。私の事を思ってくれてる気持ちは凄く伝わった。でもここで即答しないと浩介の優しさに甘えてしまいたくなる。でもこのまま浩介と付き合いだしても、たぶん続かないと思う。後で後悔する事になると思う。
「しゃあないか。お前は昔から妥協とか嫌いだもんな。まっ、これからも仕事で会うんだし今まで通りよろしくな。また飲みにも誘うし気を使って断んなよ。それと、お前がプロジェクト辞める必要ないからな。」
ホントにいい男だよ浩介。