もう一度あなたに恋をする
「九条、気持ち悪いとか本当にないか?」
目覚めてから医師の診察でも異常は見られないとの事だったが心配で仕方がない。
「大丈夫です。体中痛いけど。」
そう笑顔で答えているが俺に心配をかけまいとしている事は見ていて分かる。
暫くお互いに黙ったまま。
しかし俺は自分の気持ちが抑えられず気がつけばベッドに横たわる彼女を抱きしめていた。
「九条・・・。」
「く、久瀬さん?」
驚き戸惑う彼女をよそに俺は話を続けた。
「直ぐに意識も戻ると聞かされたのに全然目覚めないし、このまま意識が戻らなかったら、お前を失うかもと思ったらゾッとした。」
体を少し離し顔を覗き込むと彼女は耳まで真っ赤になっていた。
「こんな時に伝える事じゃないかもしれないけど。・・・九条、好きだ。」
「ふぇ!で、で、でも久瀬さんには立花さんがいるんでしょ?」
噂の事を信じてるのか、それとも専務からの圧力か?どちらにしても彼女がそんな勘違いをしているのが歯がゆい。
「立花さんとは何でもない。確かに彼女が入社して直ぐに専務から薦められたり、その後も何かにつけて立花さんと同席させたがったりされたが全て断っている。」
「でも、でもみんな「九条は俺の言う事、信じられない?」」
何か言おうとしていたが言わせない。聞きたくない。
彼女は俺の質問に対して首をブンブン横に振っている。
そんな彼女が可愛くて仕方がない。両手で優しく頬を包む。
「頭、あんまり動かしちゃだめだ。・・・でっ、九条は俺の気持ち信じてくれた?」
暫く固まってしまっていた彼女だが黙ったままコクンと頷いてくれた。
「よかった。信じてくれて。急に言われて困ったよな、ごめんな。でも九条を失うかもって想像したら気持ち止めれなかった。返事は落ち着いてからでいいから。」
自分の気持ちを伝えた事は後悔してない、ちょっとタイミングを間違えたかとも思うが。
「俺も一度帰るよ。体も辛いだろうし、もう一度寝な。松本さんが明日入院の準備と会社に置きっぱなしの荷物持って来てくれるから。」
固まったままの彼女の頬をもう一度撫で帰ろうと立ち上がった時、俺の袖を引っ張り真っ赤な顔のまま消え入りそうな声で彼女が呟いた。
「わ、わたしも、久瀬さんが・・・・好きです。ずっと前から・・・。」
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
「ありがとう。」
そう言って彼女の額にキスを落とした。
『あ、あ・・』先ほどよりも顔を赤らめ、たまらず布団で顔を隠してしまった彼女。
「朝会社に顔を出してからまた来るから。朱音はゆっくり休んでね。」
もう一度布団の上からキスを落とし俺は部屋を後にした。
家に戻りベッドに入ったのは二時を回っていた。連日の残業に今日の事、疲れているはずだがなかなか眠くならない。気持ちが通じ合った高揚感と真っ赤な顔をして布団に潜り込んでしまった彼女の可愛い姿が頭から離れないからだろう。
しかし浮かれてはいられない。資料紛失など今まで朱音の周りで起こっていた嫌がらせや陰口、そして今日の転落事故。
「親父と今後の事、相談しないとな。」
目覚めてから医師の診察でも異常は見られないとの事だったが心配で仕方がない。
「大丈夫です。体中痛いけど。」
そう笑顔で答えているが俺に心配をかけまいとしている事は見ていて分かる。
暫くお互いに黙ったまま。
しかし俺は自分の気持ちが抑えられず気がつけばベッドに横たわる彼女を抱きしめていた。
「九条・・・。」
「く、久瀬さん?」
驚き戸惑う彼女をよそに俺は話を続けた。
「直ぐに意識も戻ると聞かされたのに全然目覚めないし、このまま意識が戻らなかったら、お前を失うかもと思ったらゾッとした。」
体を少し離し顔を覗き込むと彼女は耳まで真っ赤になっていた。
「こんな時に伝える事じゃないかもしれないけど。・・・九条、好きだ。」
「ふぇ!で、で、でも久瀬さんには立花さんがいるんでしょ?」
噂の事を信じてるのか、それとも専務からの圧力か?どちらにしても彼女がそんな勘違いをしているのが歯がゆい。
「立花さんとは何でもない。確かに彼女が入社して直ぐに専務から薦められたり、その後も何かにつけて立花さんと同席させたがったりされたが全て断っている。」
「でも、でもみんな「九条は俺の言う事、信じられない?」」
何か言おうとしていたが言わせない。聞きたくない。
彼女は俺の質問に対して首をブンブン横に振っている。
そんな彼女が可愛くて仕方がない。両手で優しく頬を包む。
「頭、あんまり動かしちゃだめだ。・・・でっ、九条は俺の気持ち信じてくれた?」
暫く固まってしまっていた彼女だが黙ったままコクンと頷いてくれた。
「よかった。信じてくれて。急に言われて困ったよな、ごめんな。でも九条を失うかもって想像したら気持ち止めれなかった。返事は落ち着いてからでいいから。」
自分の気持ちを伝えた事は後悔してない、ちょっとタイミングを間違えたかとも思うが。
「俺も一度帰るよ。体も辛いだろうし、もう一度寝な。松本さんが明日入院の準備と会社に置きっぱなしの荷物持って来てくれるから。」
固まったままの彼女の頬をもう一度撫で帰ろうと立ち上がった時、俺の袖を引っ張り真っ赤な顔のまま消え入りそうな声で彼女が呟いた。
「わ、わたしも、久瀬さんが・・・・好きです。ずっと前から・・・。」
一瞬何を言われたのか理解できなかった。
「ありがとう。」
そう言って彼女の額にキスを落とした。
『あ、あ・・』先ほどよりも顔を赤らめ、たまらず布団で顔を隠してしまった彼女。
「朝会社に顔を出してからまた来るから。朱音はゆっくり休んでね。」
もう一度布団の上からキスを落とし俺は部屋を後にした。
家に戻りベッドに入ったのは二時を回っていた。連日の残業に今日の事、疲れているはずだがなかなか眠くならない。気持ちが通じ合った高揚感と真っ赤な顔をして布団に潜り込んでしまった彼女の可愛い姿が頭から離れないからだろう。
しかし浮かれてはいられない。資料紛失など今まで朱音の周りで起こっていた嫌がらせや陰口、そして今日の転落事故。
「親父と今後の事、相談しないとな。」