もう一度あなたに恋をする
邪魔者退治
朱音との朝の車通勤も順調に続いている。
あれから華乃も俺に何も言わなくなった。俺との事を諦めてくれたか?それとも今は身を潜めているだけか、どちらにしても早く何とかしなければ。
「お前知ってるか?片山の事。」
久しぶりに滝沢とランチを一緒にとっていると、いきなり同期の名前が出てきた。
「片山?人事の?」
「そう。その様子じゃ何も知らないんだな。お前ホント、仕事は出来んのになー。」
なぜか、ものすごく残念な奴を見る目で俺を見ている・・・。
「朱音ちゃんに最近よくまとわりついて食事に誘ってるってさ。」
おい!今こいつ『朱音ちゃん』って言ったか!いつの間に!
俺が唖然としててもスルーし話続ける。
「完全に拒否られてるらしいけどアイツ強引なとこあるから、朱音ちゃん大丈夫かなー。」
「お前、わざと言ってるな。」
「ん?何が?噂にニブちんのお前に教えてやる俺って天使だろ。」
いや天使ではないだろ。だがいつも見逃してしまっている情報をくれる滝沢にはいつも助けられる。それにしても華乃の件もあるのに片山までかとため息を付く。そしてある事に気が付いた。
「なあ、片山って人事で結構発言力ある?」
「やっとそこにたどり着いたか。たぶんだけど大塚を採用するように根回ししたのは片山だ。」
三年前、会社を辞めると同時に別れを切り出した。その後華乃は俺のマンションに度々『仕事は諦める、でも別れることはないじゃない。』と言いに現れた。何度、専務や立花さんの事は関係なく気持ちが無くなったと言っても聞く耳を持たずストーカーにならないか?と心配する状態だった。だから俺は学生まで一緒に暮らしていた母親のマンションに避難し一切の連絡を絶った。
「あの後、俺と連絡が取れなくなったから片山と連絡を取ってたのか。」
「たぶんな。三年経っても継続中って怖いけどな。」
「ああ。今は静かだけど確実に三月末で終わりにするために早くアシ捜さないと。」
「うーん、悔しいが教えてやるよ。また朱音ちゃんに何かあっては困るしな。」
滝沢の口からでた人は昨年三月で退職した田丸さんだった。三年は戻れないだろうと思っていたらしいが、旦那さんが元いた本社に急遽呼ばれつい最近戻って来たらしい。
「この前、元ランチ組で食事に行った時『どこかいいパートないかなー。』って言ってたらしいぞ。」
マジか!滝沢、お前は天使じゃなく神だ!今の俺にだけだが。
昼食を終え戻った俺は早速田丸さんの連絡先を教えてもらい、その足で親父の元まで行った。今の状況を説明し華乃の耳に入らぬよう社長室で電話をかけさせてもらった。
「田丸さんですか?久瀬です、わかりますか?」
「えっ、はい!ご無沙汰しております。」
勝手に連絡先を聞いたことを詫び、田丸さんがパート先を探してると聞いたこと、今アシスタントが足りなくて困っている事を説明し四月からお願いできないかと聞けば『こちらこそ、お願いします。』と即返事をもらった。
後任者が見つかれば後は片山と華乃に邪魔されることなく手続きをするだけだ。
「社長、田丸さんとの契約を進めさせて頂きます。よろしいですね。」
「お前も変わったな。・・・田丸さんなら仕事も出来る、九条さんにも害はない。いい人が見つかってよかったな。」
「では今から人事部長と話を進めてきます。」
軽く一礼をし、思い出したかのように『あっ、電話ありがとうございました。』言いドアを閉めると室内から親父の笑い声が聞こえてきた。
あれから華乃も俺に何も言わなくなった。俺との事を諦めてくれたか?それとも今は身を潜めているだけか、どちらにしても早く何とかしなければ。
「お前知ってるか?片山の事。」
久しぶりに滝沢とランチを一緒にとっていると、いきなり同期の名前が出てきた。
「片山?人事の?」
「そう。その様子じゃ何も知らないんだな。お前ホント、仕事は出来んのになー。」
なぜか、ものすごく残念な奴を見る目で俺を見ている・・・。
「朱音ちゃんに最近よくまとわりついて食事に誘ってるってさ。」
おい!今こいつ『朱音ちゃん』って言ったか!いつの間に!
俺が唖然としててもスルーし話続ける。
「完全に拒否られてるらしいけどアイツ強引なとこあるから、朱音ちゃん大丈夫かなー。」
「お前、わざと言ってるな。」
「ん?何が?噂にニブちんのお前に教えてやる俺って天使だろ。」
いや天使ではないだろ。だがいつも見逃してしまっている情報をくれる滝沢にはいつも助けられる。それにしても華乃の件もあるのに片山までかとため息を付く。そしてある事に気が付いた。
「なあ、片山って人事で結構発言力ある?」
「やっとそこにたどり着いたか。たぶんだけど大塚を採用するように根回ししたのは片山だ。」
三年前、会社を辞めると同時に別れを切り出した。その後華乃は俺のマンションに度々『仕事は諦める、でも別れることはないじゃない。』と言いに現れた。何度、専務や立花さんの事は関係なく気持ちが無くなったと言っても聞く耳を持たずストーカーにならないか?と心配する状態だった。だから俺は学生まで一緒に暮らしていた母親のマンションに避難し一切の連絡を絶った。
「あの後、俺と連絡が取れなくなったから片山と連絡を取ってたのか。」
「たぶんな。三年経っても継続中って怖いけどな。」
「ああ。今は静かだけど確実に三月末で終わりにするために早くアシ捜さないと。」
「うーん、悔しいが教えてやるよ。また朱音ちゃんに何かあっては困るしな。」
滝沢の口からでた人は昨年三月で退職した田丸さんだった。三年は戻れないだろうと思っていたらしいが、旦那さんが元いた本社に急遽呼ばれつい最近戻って来たらしい。
「この前、元ランチ組で食事に行った時『どこかいいパートないかなー。』って言ってたらしいぞ。」
マジか!滝沢、お前は天使じゃなく神だ!今の俺にだけだが。
昼食を終え戻った俺は早速田丸さんの連絡先を教えてもらい、その足で親父の元まで行った。今の状況を説明し華乃の耳に入らぬよう社長室で電話をかけさせてもらった。
「田丸さんですか?久瀬です、わかりますか?」
「えっ、はい!ご無沙汰しております。」
勝手に連絡先を聞いたことを詫び、田丸さんがパート先を探してると聞いたこと、今アシスタントが足りなくて困っている事を説明し四月からお願いできないかと聞けば『こちらこそ、お願いします。』と即返事をもらった。
後任者が見つかれば後は片山と華乃に邪魔されることなく手続きをするだけだ。
「社長、田丸さんとの契約を進めさせて頂きます。よろしいですね。」
「お前も変わったな。・・・田丸さんなら仕事も出来る、九条さんにも害はない。いい人が見つかってよかったな。」
「では今から人事部長と話を進めてきます。」
軽く一礼をし、思い出したかのように『あっ、電話ありがとうございました。』言いドアを閉めると室内から親父の笑い声が聞こえてきた。