もう一度あなたに恋をする
四月一日、記憶が戻ってからの初出社。
記憶を無くす前の状況を思い出し、朝から気分は重い。
会社に着いてから今までと違う雰囲気に困惑してしまった。今までは私が通り過ぎる時には陰口をささやかれていたはず・・・。なのに『私の記憶違い?』と思うほど皆の態度は普通だった。
入社式を終えデザイン企画部に配属される新入社員が来るまでにチームメンバーとプロジェクトメンバーそしてみどりさんを久瀬さんは会議室に招集した。
「九条の事だが・・・」
話始めた久瀬さんから私の名前が出たので、みんなの顔に緊張が走ったのが分かった。たぶん私のケガや記憶喪失の事を知っているからだろう。
「一昨日の土曜日に記憶が戻った。」
『えーっ!』と皆が吃驚した。部屋の外にまで聞こえているであろう。
「だが前の記憶が戻ったのはいいんだが、記憶を失っていた約四か月の記憶が逆になくなった。」
「えっ、じゃあ大塚さんの事も覚えてないの?この人の事わかる?」
夏樹さんが隣にいる女性を見ている。
「すみません。わかりません。・・・、あの、九条朱音です。お名前教えていただけますか?」
「田丸千佳です。九条さんが転勤してくるまでここでアシしてたの私なの。先月からまた契約社員として働かせてもらってるのよ。それと、あなたの事『朱音』って呼んでたから、これからもそう呼んでもいい?」
すごく優しそうな人でホッとした。私の記憶にある同じチームのアシスタントは立花さんだったから。
「田丸さんの紹介も終わったところで、朱音が四か月分の記憶が無いって事は仕事に復帰した二月以降の仕事内容も忘れてしまっていると言う事だ。朱音の事だから直ぐに追いつくとは思うけどサポートよろしく頼むぞ。」
「・・・・」
皆が返事をすることも忘れ固まっていた。
「どうした?みんなして口開けて。」
「お前のせいだよ。お前今ポロっと言っちゃったからな。」
思わず滝沢さんが久瀬さんに突っ込んだ。
「なにを?」
「九条さんの事『朱音』って。彼女の記憶が戻って浮かれてんのか?」
その直後また会議室に『えーっ!』とみなの吃驚が響き渡った。
そして私は首まで真っ赤になりその場にしゃがみ込んでしまった。
「朱音!お昼休み楽しみにしてるわよ!」
誰よりもいち早く立ち直った夏樹さんが、凄ーく楽しそうに笑っていた。
記憶を無くす前の状況を思い出し、朝から気分は重い。
会社に着いてから今までと違う雰囲気に困惑してしまった。今までは私が通り過ぎる時には陰口をささやかれていたはず・・・。なのに『私の記憶違い?』と思うほど皆の態度は普通だった。
入社式を終えデザイン企画部に配属される新入社員が来るまでにチームメンバーとプロジェクトメンバーそしてみどりさんを久瀬さんは会議室に招集した。
「九条の事だが・・・」
話始めた久瀬さんから私の名前が出たので、みんなの顔に緊張が走ったのが分かった。たぶん私のケガや記憶喪失の事を知っているからだろう。
「一昨日の土曜日に記憶が戻った。」
『えーっ!』と皆が吃驚した。部屋の外にまで聞こえているであろう。
「だが前の記憶が戻ったのはいいんだが、記憶を失っていた約四か月の記憶が逆になくなった。」
「えっ、じゃあ大塚さんの事も覚えてないの?この人の事わかる?」
夏樹さんが隣にいる女性を見ている。
「すみません。わかりません。・・・、あの、九条朱音です。お名前教えていただけますか?」
「田丸千佳です。九条さんが転勤してくるまでここでアシしてたの私なの。先月からまた契約社員として働かせてもらってるのよ。それと、あなたの事『朱音』って呼んでたから、これからもそう呼んでもいい?」
すごく優しそうな人でホッとした。私の記憶にある同じチームのアシスタントは立花さんだったから。
「田丸さんの紹介も終わったところで、朱音が四か月分の記憶が無いって事は仕事に復帰した二月以降の仕事内容も忘れてしまっていると言う事だ。朱音の事だから直ぐに追いつくとは思うけどサポートよろしく頼むぞ。」
「・・・・」
皆が返事をすることも忘れ固まっていた。
「どうした?みんなして口開けて。」
「お前のせいだよ。お前今ポロっと言っちゃったからな。」
思わず滝沢さんが久瀬さんに突っ込んだ。
「なにを?」
「九条さんの事『朱音』って。彼女の記憶が戻って浮かれてんのか?」
その直後また会議室に『えーっ!』とみなの吃驚が響き渡った。
そして私は首まで真っ赤になりその場にしゃがみ込んでしまった。
「朱音!お昼休み楽しみにしてるわよ!」
誰よりもいち早く立ち直った夏樹さんが、凄ーく楽しそうに笑っていた。