いちご
「ももは何してても可愛いから大丈夫だよ。既に病院で寝顔なんて見られてるだろう」
慶兄がフォローのような事を言うが、微妙にくすぐったいです。
「それとコレとは状況が違いすぎるよ」
溜め息混じりに答えると、深く座席に座り直した。
「てゆーか、何でみんな龍雅を止めてくれなかったの」
「え?俺は運転してるし」
「面白いから」
瑠衣斗と宗太はそんな事を答えたが、慶兄は笑っているだけだった。
何だかんだ言って、慶兄も楽しんでいたようだ。
みんな私で楽しみすぎですから。
「もういいっす…」
呆れた気分になり、どうでも良くなってそう答えた。
今日の龍雅の獲物は私だっただけであって、普段は大概瑠衣斗だ。
どこでも直ぐに寝れてしまう瑠衣斗は、よく龍雅によって、物凄い髪型にさせられた写メや、私や美春の化粧で落書きされた写メなどが沢山あった。
落書きされてても起きないので、本当に無防備すぎる。
反対に私も落書きとかされてた方が、諦めがつく話なんだけど。
素の寝顔は、やっぱり恥ずかしい物があった。