いちご


いつまでも私の上で笑う瑠衣斗に、きっと顔が真っ赤であろう私は、思いっきり瑠衣斗を横へ倒した。


「おまっ……やべー」


尚も丸まって笑いを堪えている瑠衣斗を横目で睨むと、下敷きになってしまっていた掛け布団を引っ張って、瑠衣斗に思いっきり被せた。


「シャワー!浴びてくる」


勢い良くベッドから立ち上がると、背を向けたまま瑠衣斗に叫んだ。


「一緒に入るか?」


「はっ入らないっ」


クルリと呆気なくベッドに向き直ると、布団から顔を出し、八重歯を覗かせていたずらっ子のように笑う瑠衣斗に、赤面した。


ここが暗くて良かった。


悔しいが、それ以上何も言えなかった。


ドシドシとリビングの明かりの漏れる扉へ近付いて、勢い良く扉を開けた。


一気に眩しい光を目の前にして、目を細めた。


構わずリビングに入り、バスルームを目指した。



私の心臓は、壊れてしまったようにドキドキと飛び出しそうなままだった。


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