いちご
さっさとシャワーを済まし、髪をドライヤーで乾かして歯磨きも済ませると、ドアを開けて廊下へ出た。
るぅ寝たかな?起きてたら…どうしよ。
そんな事を考えながらリビングの扉を押した。
「お、上がったか」
肩揉みしていたソファーに座り、振り返った瑠衣斗にフリーズしてしまう。
「寝て…なかったんだ」
意識し過ぎている事を悟られたくなく、すんなりとリビングへ足を入れた。
「急に泊まっても悪いだろ」
穏やかに笑った瑠衣斗の姿に、ギュッと息が苦しくなった。
私が初めて感じたこの感情を、みんな恋って言うのかな。
「今更じゃん」
何だか暖かい気持ちに、自然と笑みが溢れた。
「まあ…そうだなあ」
瑠衣斗の返事を聞きながら、キッチンへ入ると冷蔵庫を開けた。
歯磨きしちゃったけど、今日は飲まないと絶対無理。
そう思い、缶ビールを冷蔵庫から取り出した。
冷蔵庫の扉を閉めると、瑠衣斗の後頭部が見えるソファーに向かって声を掛けた。
「シャワーは?着替えいつもの所に置いてあるよ」
タブを持ち上げて、蓋をあけ、一口飲んだ。
「ん?んじゃ借りる」
そう言って立ち上がると、私に視線を向け目を見開いた。