いちご



でも、大丈夫。うん、大丈夫だ。


…痛くないし。


ちっがーう!!とりあえず、上!!スウェットの上はどこ!?


体を起こし、ベッドの下や周りをキョロキョロ見てみるが、どこにもない。


やだぁ~ちょっと私何したのぉ~…。


恥ずかしさと焦りで、パニックに陥ってしまった私は、私に向かって延びてくるモノに気が付かなかった。



「ひゃあああぁ」


ぐっと腕を捕まれたかと思ったら、すっぽりと布団の中に引き込まれてしまった。


「…おはよう」


うっすらと笑みを浮かべ、私の腕を離さないまま瑠衣斗がそう言う。


「う……はよ…う」


服を着ていないせいか、少し寝起きの掠れた声のせいなのか、何だか色っぽい瑠衣斗を見ることができず、目を逸らした。


< 184 / 503 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop