いちご


赤ちゃん…いた………?


「赤ちゃん…」


赤ちゃん…?


…赤ちゃん………。


「っええええぇえ~~~!?」

………………ホントに…?


「ももぉ~どっどうしよぉ~」

「……し、調べた…の?」


目が飛び出るんじゃないか?と言うくらい、目を見開いた事が自分で分かる。


「うん…生理来なくて…っびょっ、病院…行った…」


「…どのくらい?」


落ち着け~。落ち着け自分~。


「まだ2週目でね…小さくて、写真も…ゴマみたい…っうぅ」

「美春……」


きっと、こう言う時って、怖くて仕方ないのかな。私は当たり前に経験ないけど…。



でも、もう我慢できない。






「おめでとう!!すごい美春!!おめでとー!!」


ガバッと顔を上げた美春は、瞼は腫れ、目と顔を赤くして、鼻がトナカイみたいだ。


「……もも」


まだ新しい涙の痕が残る頬に、新しい涙が静かに伝う。


「守んなきゃ。この子は美春しか守れないんだよ」


こくこくと頷く美春は、滝のように次から次へと涙を流している。



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