いちご
軽く伸びをして、周りを見渡した。
結局、瑠衣斗を発見する事もないまま、ノートなどを鞄にしまおうとした所だった。
「これからの予定は?」
顔を覗き込むようにして、ジュリの顔が突然目の前に現れ、心底驚く。
キメの細かい白い肌は艶々してて、サラサラの明るい髪は、枝毛なんかないみたいだ。
「んっと…ちょっと行く所があるかな」
綺麗な滑らかな眉をハの字にすると、残念そうに唇をつぐんだ。
そんな表情は、少し幼さが垣間見られ、可愛いなんて思ってしまう。
「そっかあ…残念」
ポツリと言うジュリを見ていると、何だかとっても申し訳なく思えた。
淡いブルーと黒を混ぜたような色をした瞳が、キラキラと輝く度に、泣いているんじゃないかと思わせる。
「…ごめんね?」
何故か罪悪感を感じてしまい、申し訳なくそうジュリに言った。
「連絡する。今度食事でもしよう?」
パッと顔を上げると、期待するような瞳で私にそんな事を言う。
とりあえず、この気持ちは受け取っておこう。
「うん、そうだね。ありがとう」
私の返事を聞いた途端、パッと嬉しそうに笑顔になった。
「約束だよ?楽しみにしてるよ」
「うん、分かったよ」
何だか、とんでもないお友達ができてしまったかもしれない。