いちご



「…話すと長くなる。…話す?…俺が聞きたい事がある…が正しいかな」



一人で話をまとめると、ソファーを立ち上がった。



「…え。まじ意味分かんない」



話す事がある訳…ではないんだよね?聞きたい事??…私に??


釣られて立ち上がると、テーブルの携帯をポケットにしまい、キーケースを代わりに取り出した。


「明日な。美春がまた怒りだす」


苦笑いする瑠衣斗を見上げながら、首を傾げるしかなかった。


「…うん?…分かったよ」



とりあえず、確かに美春を怒らせたらいけないと思い、疑問に思いながらも納得した。



ふっと笑って見せた瑠衣斗は、目を細目ながら私の頭をクシャっと撫でて、そのまま二人で玄関へ向かった。




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