いちご
聞きたい事って………なに。
思い当たる事もないし、さっぱり分からない。
私だって、聞きたい事沢山あるよ…。
なんて思いながらも、口に出す事もできずに飲み込んだ。
「ここでいいよ。ゆっくり寝ろよ」
「うん…そう言えば何で来たの?」
今からバスなら、少し歩かないといけないし、バスがいつ来るかも分からない。
「ん?単車かっ飛ばしてきた」
そう言ってチャリチャリとキーを鳴らして見せた。
「あぁ…なるほどね」
少し段になった高さのついた玄関で、靴を履く瑠衣斗の背中を見つめていると、ドキドキと胸が鼓動し始めた。
段差があるのに、まだ瑠衣斗の方が大きい事には、軽くショックだけども。