いちご



体を洗い、しっかりと湯船に浸かって体を暖め、バスルームから上がった。


ぽかぽかと火照る体を、冷やしてしまわぬように、髪を乾かして歯磨きも済まし、スキンケアも念入りに済ませた。



何か考え出すと、眠れなくなってしまいそうで、意識を別な場所へ必死に移した。


何より、すぐに瑠衣斗の事で頭がいっぱいになってしまいそうだった。




明日、会えるのに、会いたいような会いたくないような変な感覚に、さっきまで一緒だったじゃん。と思い自分が可笑しくて呆れてしまう。



恋って、楽しいばかりじゃないんだ。


自分に、こんなにも一人の事を思う気持ちがあるなんて、知らなかった。



気が付くと、その人を考えてばかりで、自分でも驚く。


リビングへ戻り、キッチンへ行ってミネラルウォーターのペットボトルを一本取り出すと、鞄を持って二階の部屋へ向かった。


一階の全ての明かりを落とすと、暗闇に飲み込まれたような静けさが身に染みて、足早に階段を登った。



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