いちご
「あ…」
振り返った先には、やたらと目立つ容姿をしたジュリが立っていた。
「今日はナイトが居るんだね」
ニッコリと天使のような笑顔で、そんな事を言いながら側までやって来たジュリは、躊躇する事なく私の隣に腰を下ろした。
「おはよう。もも」
目を細めた瞳に、太陽の光が映り込んで、青くキラキラと輝いている。
「おはよ…」
見とれてしまう程綺麗で、気の抜けたような返事が口から零れた。
「ナイトじゃねえ…瑠衣斗だ」
低い凄みの含まれる声がして、隣に座る瑠衣斗に振り返った。
肘を立てて頭を起こした瑠衣斗は、眉間にシワをしっかりと刻んだまま目に入った。
えっ…と?何だろう……この雰囲気。
「知ってるよ。松風瑠衣斗くん」
やたらと名前を強調して言うジュリは、瑠衣斗の態度にも何の動揺も見せず、逆にからかっているようだ。
「僕は、ジュリ。桐生ジュリって言うんだ。知ってる?」